美江子さんの好奇心
美江子さんは好奇心の塊だ。
妻の由貴奈さんが歯医者に車で迎えに行ったときのこと。しきりに「あの子に話し掛けれんかったなあ」と悔やんでいたという。
話を聞いてみると、待合室でピンク色の髪の毛をしたおしゃれな女の子がいて、いつ話し掛ければいいかなあと迷っていたら、その子が帰ってしまい、結局話し掛けられなかったそう。「あのとき話せばよかったなあ」と、未だに残念そうにしている。
87歳で運転免許証を返納するまでは、買い物、病院、友人宅と、どこでも1人で車を運転して出掛けていた。
あるとき、新しいインド料理店ができたと話題にすると、「ああ、あそこ入ってみたよ」とさらっと言う。お店ができてすぐに行って食事をしたそうだ。
そんなアクティブおばあちゃんなので、免許を返すと決まったときは寂しそうだった。
最初は絶対に嫌だと言っていたが、時間をかけて家族みんなで説得し、最後は父のひと押しで観念した。
免許を返納した今は、弟のよっちゃん(84歳)に車を出してもらい、よく一緒にカフェに行っている。
※本稿は、『TAKASU TILE 自分をHAPPYにする暮らし方: 家づくり、畑仕事、日々の料理、おばあちゃんとの時間』(誠文堂新光社)の一部を再編集したものです。
『TAKASU TILE 自分をHAPPYにする暮らし方: 家づくり、畑仕事、日々の料理、おばあちゃんとの時間』(著:高須亮佑/誠文堂新光社)
YouTubeで田舎暮らしを発信するTAKASU TILEのライフスタイルエッセイ。
小屋づくりから畑仕事、料理、日々のルーティン、おばあちゃんとの時間、大切な人たちとの交流まで。
暮らしを通じて自分をHAPPYにするためのヒントが見つかる1冊。