常に父親が家にいる日常
原口 父がいつも家にいるのが当たり前だったので、子供の頃、「お父さんは朝お勤めに行って、夜帰ってくる」と友達から聞いた時はビックリしましたね。ただ、締め切り前は仕事場に行っちゃいけませんでした。
松本 私は仕事部屋に入り込んで、床でおままごとをしたりしてましたけど、仕事中に話しかけるのはやはりNG。昼間なのに、「うるさい。マキ、寝ろ!」というのが父の口癖でした。(笑)
原口 仕事部屋には、出版社から送られてくる少年漫画誌が置いてあったのでもう読み放題で。
松本 私も漫画が好きで、少女漫画――例えば萩尾望都先生の『トーマの心臓』をまだ理解できないのに読んでいました。
原口 私は少年漫画が好きで、摩紀子さんに初めてお会いした時に、「私、松本零士さんのファンなんです」と言って、中学生の頃に買った松本先生の「戦場まんがシリーズ」をお見せしましたね。『男おいどん』も好きでした。当時の私に教えてあげたい。「松本零士先生の娘さんと仲良くなれるよ」って。