ドリカムのエイジレスは止まらない
色々発見はあったライブだけど、毎度驚かされるのはドリカムのメンバー、2人のとんでもない若さと、桁外れの体力だ。
当日は中村正人さんの誕生日ということで、観客や(もうこう呼ばせてほしい)美和ちゃんが「HAPPY HAPPY BIRTHDAY」歌う一幕も。で、肝心の彼の年齢。なんと、66歳。おそらく、彼のビジュアルはそれぞれに浮かんでくると思うが、20年前くらいから大して変わっていない。
そしてボーカルの美和ちゃんは、59歳。来年はもう還暦。そんな女性が代々木体育館のステージを端から端まで走り、歌い、踊り、途中衣装の早替えもしている。私なんざ、地下鉄から会場まで向かう、歩道橋の階段で息切れしていたのに……。どんな日常生活を送っているのだろう? そういえば美和ちゃんは以前のライブで、宙吊りで歌っていたっけ。この疑問をジムのトレーナーにぶつけてみた。
「先生、吉田美和ちゃんも松田聖子ちゃんも、ステージを走って、踊って、2時間近く歌って踊っているんですけど、あれはどんなトレーニングをすればいいんですかね」
「いや、もう普通の筋トレなんかじゃ追いつかないから、高山トレーニングとか、しているんじゃないですか」
「こ、高山……もう地上ではない……」
35年間、現役で居続けるのは凡人の努力なんかじゃ追いつかない。想像の範疇を超えた努力を重ねているから、トップなのだ。でも良かったな、ドリカムがいてくれて。人生がとても豊かになりました。
さてライブ。ラストまでいては退場もしづらくなるだろうと、ご挨拶中に席を立った。すると同じようなことを考えた大勢の客たちが「あれ? もうライブ完全に終わった?」と聞きたくなるほど、入場口に大挙していた。集合も早ければ、解散も早いのがおばさんの掟だ。1万人以上のライブになると、パニックにならないよう、規制退場を強いられるパターンが多い。が、せっかちな中高年層のファンには必要なかったのか、そういったアナウンスも聞こえてこなかった。
「じゃ、また来年ね!」
駅で一緒になった(勝手に)同士のファンが、女子高生の殻を脱いで、膨れた地下鉄に乗り込んで帰っていった。また当たるといいなあ、プラチナチケット。