日本の美意識や情緒は、精神の栄養

それにしても、たった十七字で深い表現ができる俳句を発明した日本人は本当にすばらしい。「季語」を入れるのも、四季に恵まれた日本ならではの約束事です。私は以前から、子どもには子守歌を歌って聞かせ、詩や俳句を読ませるのが大事だと言ってきました。日本の美意識を凝縮した文学である俳句に触れることで、子どもの情操が育つと思っているからです。また、若い人にも年配の人にも俳句に親しんでいただこうと、私の公式携帯サイト「麗人だより」で、俳句を募集したこともあります。

俳句は奥が深いので、なかなかすぐには作れないかもしれません。でも、先人のすぐれた作品を味わうことはできるはず。日本の美意識や情緒は、精神の栄養となります。栄養不足にならないよう、たまには俳句で養分を補ってみてはいかがでしょうか。

 

●今月の書「秋深き隣は何をする人ぞ」

今月の書「秋深き隣は何をする人ぞ」
(書:美輪明宏)
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