ちなみに小学生のときに会得したモノマネを『4時ですよーだ』で披露して、吉本に入ることになったので、本当に人生は何があるか分からないなと思います。まだそんな未来を知らない私は、ただ友だちが笑ってくれるのが嬉しくて毎日を過ごしていました。

当時、テレビ番組は一日に何本もまとめて収録するのが一般的で、水をかぶった後で、次週のオープニングを撮影することもあったそう。

だからドリフではオープニングなのになぜか毛束感のある風体で、だるそうに歩いてくる志村けんさんが面白いと思いモノマネに取り入れた結果、友だちにも『4時ですよーだ』でもウケたのです。

最近の言葉で表現するなら、いわゆる陽キャへと変貌した私は、クラスの中心的な存在になっていきました。自然と友だちが集まってきては、女の子が話しかけてくれるのは純粋に嬉しかったです。

これは私だけの感覚かもしれませんが、小学生の頃から男の子の前でモノマネをするよりも、女の子の前でモノマネをしたときのほうが、なんとなくウケている気がしていました。女の子の笑い声はスッと通るし、いつもは静かな女の子を笑わせたときなんて、気持ちよくて仕方がない。

そんな経験があったので、この頃から「女の子は大切にせなあかん」と思っていたような気がします。

 

※本稿は、『悲しみは笑い飛ばせ!島田珠代の幸福論』(著:島田珠代/KADOKAWA)の一部を再編集したものです。


悲しみは笑い飛ばせ!島田珠代の幸福論(著:島田珠代/KADOKAWA)

唯一無二の持ちギャグで、新喜劇を長きに渡り支えている看板女優の島田珠代。
酸いも甘いも知りつくした彼女が、人間関係や仕事、恋愛、自分らしさ、そして女として生きることなどを赤裸々に語った自身初のエッセイ。笑いあり涙ありのエッセイを読めば、人生のヒントが見つかるかも?
巻末には推しと公言するロングコートダディ堂前さんとの対談も収録。