人見知りから人気者へ

今の私からは想像できないかもしれませんが、幼稚園に通っていたときは、極度の人見知りでした。しかし家では普通に話すし、なんならうるさいくらいのテンションで振る舞っていたと思います。

しばらくは、両親ですら私が人見知りだったなんて知らなかったでしょう。幼稚園での申し送りに「珠代さんは人見知りですね」と書かれても「そんなバカな」となかなか信じられなかったのではないでしょうか。

話せなかった理由は……正直ハッキリとは覚えていませんが、「こんなことを言ったら怒られるかもしれない」という気持ちが働いていたんでしょうね。今でもお笑いに振り切れているかというとそんなことはなくて、人の目を気にするタイプなのは実は変わっていません。

そんな私が幼稚園でやっと言葉を発したのは、年長クラスになってからでした。きっかけは、全員分の誕生日を色紙に書いて紹介する掲示物をつくったとき。

「わたし、5月!」

たった一言でしたが、今でも深く記憶に残っています。でも、たった一回勇気を振り絞っただけでは、自分の性分は変わりません。小学校に上がってからも2年生の頃まで人見知りは続きました。