幼稚園では寡黙でしたが、家では「今日、幼稚園でこんなことがあってな!」と話していたので、同じようなテンションで「小林くんっていうカッコいい男の子がいてな!」と得意になって両親に報告していたのです。
その日も私は「今日の小林くんもかっこええわ~」と思いながら部屋の隅から眺めていました。すると、私の父がズカズカと小林くんに近づいて、ニヤリと笑いながら一言。
「うちの娘があんたのこと好きって言ってたわ! これからもよろしくねぇ」
その瞬間、初めて父を見る目が変わりました。心の中で「イヤーー!!」と叫びながら、どこかへ走り去りたい衝動に襲われて、しばらく父を直視することができませんでした。
親って、こんなことすんねや。信じられへん。
当時はそう思っていたのですが、いざ自分に子どもができてみると、段々とその気持ちが分かるようになってきました。そう、親って信じられないようなおせっかいを焼きたくなっちゃう生き物なんです。