古民家暮らしは「初期費用がかからないなら」という前提で
Fさんの義理の祖父母の家はいい感じの古民家。その昔、著名な建築家の設計で建てた家だという。祖父母の他界で空き家になっていたところを、孫娘の婿であるFさんが借り受けた。
Fさんが個人事業主として独立したので、事務所兼自宅として利用させてもらうことになったのだ。
古民家は、その佇まいだけでも風情があって心が和む。おおらかな気持ちで子育てもできそうだ。しかもFさんは一級建築士。
自宅となる古民家を自分の手でリノベーションしているので、事務所を訪れたクライアントへの説得力も絶大だ。家は人が住まないと傷むので、祖父母とFさん双方にとって願ったり叶ったりであった。
古民家の定義はさまざまだが、本書では1990年頃までに、良質な天然素材を使って建てられた農家住宅や洋館風住宅を指すこととする。