時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは愛媛県の60代の方からのお便り。33年前に夫を亡くし、そこから娘2人を女手一つで育ててきたという文子さん。定年退職後、長年の夢だったあることを始めたそうで――。
家族が3人から10人に
20年あまり勤めた職場を定年退職した。33年前、夫が働き盛りに亡くなり、娘2人と、初めて部屋で3人きりになった時のことは忘れられない。あまりの心細さに、いっそ死んでしまいたいと思ったものだ。
しかし落ち込んでばかりもいられない。当時小学生と幼稚園児だった2人を女手一つで育て、ずっと働いてきた。
今、娘たちはよき伴侶を得て、家を出ている。なにかにつけて素敵な花束をくれる長女。いつも私を気遣ってくれる次女。
もうすぐ生まれる5人目の孫を合わせれば、家族は10人にもなる。なんて幸せなんだろう。