男女とも正装が簡略化される
まず男性が朝廷に出仕するときに着用する朝服が大きく寛容になり、形を整えて束帯(そくたい/天皇以下の公家男子の正装)として成立し、承平(じょうへい)6(936)年の『九条殿記』ごろから登場したとされる。
束帯には縫腋の袍(ほうえきのほう/脇の縫ってある有襴(うらん)の袍)の文官用束帯と闕腋袍(けってきのほう/脇を縫い合わせていない袍)の武官用束帯の2種類があり、文官の束帯の構成は垂纓冠(すいえんのかん)・縫腋袍・半臂(はんぴ)・下襲(したがさね)・重袙(かさねあこめ)・単(ひとえ)・表袴(うえのはかま)・大口袴(おおぐちばかま)・襪(しとうず)・靴・石帯(せきたい)・笏(しゃく)である。
これに対して女性の束帯にあたるのが女房装束(唐衣裳装束/からぎぬもしょうぞく)で、宮中の正装にあたる。