もう一人の女性とも縁を切った
学生の頃とは違い、あからさまに絶交するなど、嫌悪感をあらわにすることができないのが、ご近所さんとのおつきあいを断つ時の悩み。
なぜなら、その後もマンションの管理組合の総会などで、必ず顔を合わせなければならないからだ。
また、少ない戸数のマンションで、あることないことを別の住人に吹き込まれては、自分自身の居場所がなくなってしまう。
だが、それらの点を考慮に入れたうえでなお、私はもう一人の女性とも縁を切った。
もちろん相手は口に出して「褒めてほしい」とは言わない。だけど流れを考えれば、褒めてくれと言っているに等しい。
かくして私はテレビショッピングに出てくるサクラのように、「ホォ〜」とか「ヘ〜」とか「スゴ〜イ」とか、合いの手を入れなければならないのである。