ストレスは溜めず、思いを誰かに伝えて
自由に外出もできない、買い物にも行けない状況の中で、今、つらい思いをしている方が大勢いると思います。読者の皆さんの中には、日々、家事をして家族のご飯を作っているという主婦の方もたくさんいらっしゃるでしょう。
同居人は猫1匹という私のような一人暮らしでさえ、今は三食すべて家で作っているので、洗い物をして掃除をしていると、1日があっという間に終わっちゃう。これが4人家族で、主婦一人で家事をやっていたら……、ストレスが溜まるのも当然ですよ。そのうち殺人事件が起きるんじゃないかと心配になるほどです。
もし、つらい思いが溜まったら、それを誰かに伝えることで何かが変わると思います。『婦人公論』のノンフィクション原稿募集に投稿するのも、いい手です。私は新聞で人生相談の連載をしていますけど、そういうところにもどんどん投書してほしいし、私が主宰している「オフィス3〇〇」のホームページにメッセージを書き込んでくださってもいい。ちょっぴりグチを吐き出すだけでも、かなり気分が晴れますからね。
舞台の仕事がすべてストップし、目下、私も生ける屍同然ですが、だからと言って下を向いてばかりはいられません。この時期に、今までやらねばと思いつつ、ずっと棚上げしていたことに取り組むようにしています。そのひとつが小説を書くこと。
実は、25年前に、ある出版社の編集者から小説を書くように頼まれていたんですよ。その方から、「時間ありますよね。書くなら今でしょ!」って、3日前にメールが来ちゃって(笑)。それを書き終えたらやりますと、以前から約束していたインターネット小説もあるので、じゃあ、小説を書くことに挑戦してみようかなって。
離婚後、放りっぱなしにしていた銀行口座やクレジットカードの名義変更をしたり、ふるさと納税も初めてやってみました。日本劇作家協会の会長を務めているので、この状況下で困っている演劇人をどうやって救えばいいか、対策を立てるためにZoomというアプリを使ったオンライン会議も毎日のように行っています。
おかげで使い方にも慣れたので、今晩、芝居の話をするのが大好きな同業の友人たちと初めてオンライン飲み会をする予定なんですよ。そのために、近所のスーパーで限定販売していた屋久島の芋焼酎の原酒と、若い頃から好きだった「フォアローゼス」のプラチナも買ってきました。
医療に携わっている方々が必死に頑張ってくださっているなか、あまりに不謹慎な行為は慎むべきですが、演劇の火を絶やさないためにも、お互いにグチまじりでも意見を交換し、仲間たちと励まし合う時間を持つことも必要なんじゃないかって。