脚力と血管力には親密な関連がある
歩行速度が落ちると動脈硬化が増える
でも、はたして、それだけで十分に歩けるのでしょうか。
私たち愛媛大学医学部附属病院抗加齢・予防医療センターでは、2006年からアンチエイジング(抗加齢)研究を行っています。
具体的には、脳卒中や認知症など、老化にともなって増えるさまざまな疾患の発症を予防することを目的としています。
病気だけではなく、転倒、骨折などに直結する脚力の低下に関する研究も行っています。
さらに、脚力に関連する大切な要素として「血管力」があることを発信しています。
脚力を評価する指標としては、下肢のCT(コンピュータ断層撮影)画像を用いて足の付け根(鼠径<そけい>部)と太もも(大腿<だいたい>部)の筋肉の面積を測定します。
太ももの筋肉の面積が大きければ、筋力も高いと思われます。
一方、血管力は、血管年齢といいかえることができます。血管年齢は、おもに血管の柔軟性や弾力性を示す指標で、代表的な検査としては脈波伝播速度検査があります。私たちが運営する抗加齢ドックの検査項目としても導入しています。
そして、抗加齢ドックのデータを解析したところ、脈波伝播速度検査で「血管力が低い」(血管年齢が高い)場合には、「脚力が弱い」(太ももの筋面積が小さい)ことがわかり驚きました。