(写真提供:Photo AC)
厚生労働省の「令和4年 国民健康・栄養調査」によると、20歳以上の1日の歩数の平均値は男性が6465歩、女性が5820歩で、直近10年間で有意に減少したそうです。そのようななか、愛媛大学医学部附属病院抗加齢・予防医療センター長の伊賀瀬道也先生は「歩かない生活を送ることは、年をとると歩けなくなることに直結する」と指摘します。そこで今回は、伊賀瀬先生の著書『百歳まで歩ける人の習慣 脚力と血管力を強くする』から、いつまでも歩ける人になるための心がけを一部ご紹介します。

なぜ、年をとると歩けなくなるのか

長年の歩かない生活習慣が元凶

日本人の寿命は年々延びており、最近は「人生100年時代」といわれるようになりました。

でも、たんに寿命を延ばすだけではなく、介護が不要な状態を保つ「健康寿命」を延ばすことがより重要であるとの認識が高まっています。

健康寿命とは、厚生労働省によると、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことをいいます。

2019年の健康寿命は、男性72.68歳、女性75.38歳となっており、人生100年に対し非常に短いことが指摘されています。

健康寿命が短いということは、寿命が長くなっても、自分の面倒が自分で見られない期間も長いことになります。

健康寿命は、「食事を自分でとれる」「トイレが自分で使える」「お風呂に自分で入れる」など、日常生活ができる期間といいかえることができます。

それを防ぐには、自分でしっかり歩けることが重要な要素であるといえます。