「才能」だけで物事は成就しません

角野隼斗(すみのはやと)さんというピアニストがいます。

角野さんは、プロのピアニストでありながら、東京大学大学院で研究者を目指していたという経歴の持ち主。

ショパン国際ピアノコンクールに出場するなど、学問とピアノの二刀流で活躍し、現在は国内外で音楽活動を行っています。

彼のように、二つのキャリアをプロレベルで両立している人が世の中には一定数存在します。普通の人にしてみれば、「どうしてそんなことができるのか」と疑問に思われることでしょう。

しかし、誰だって一朝一夕に二つのキャリアを両立できたわけではありません。睡眠時間を削ってでも、毎日孜々(しし)として学問と芸術に時間を注ぎ、それを何年も続けてきたからこそ、両方の世界でプロレベルに到達できたのです。

世に出るような人には、もともとの才能はあったのでしょうが、才能だけで物事は成就しません。それなりのレベルを目指そうと思えば、才能に加えて十分な努力が求められます。