価格上昇は東京23区だけ?

首都圏以外でも、大阪市で25億円超、札幌市で5億円超、岡山市で3億円超、旭川で2億円の新築マンションが販売されるなど、全国各地で続々と億ションの供給が予定されています。

ただし、東京では、販売価格が20億円前後、最上階は200億円超えと言われる麻布台ヒルズのアマンレジデンス東京や前述の三田ガーデンヒルズのような超高額物件が全体の平均価格を押し上げているとも考えられます。

『2030―2040年 日本の土地と住宅』(著:野澤千絵/中央公論新社)

そこで、不動産経済研究所によるデータをもとに、首都圏新築マンションの戸当たり価格の中央値の推移を見てみました(図表1)。

<『2030―2040年 日本の土地と住宅』より>

その結果、新築マンション価格の2023年の中央値を10年前と比べると、東京23区は1.6倍、神奈川県は1.5倍、東京市部・埼玉県・千葉県は1.3倍となっており、東京23区だけで価格が上昇しているわけではないのです。

具体的に2023年の中央値を見ると、東京23区は8200万円、神奈川県は5772万円、東京市部は5279万円、埼玉県は4660万円、千葉県は4598万円でした。