厚生労働省の「令和5年(2023)人口動態統計(確定数)の概況」によると、2023年の離婚件数は18万3814組で、前年の17万9099組より4715組増加しました。そのようななか、約4万件のトラブルを解決してきた離婚カウンセラーの岡野あつこさん曰く「近年は<モラハラ>や<価値観の相違>に由来する離婚相談が増えている」とのこと。そこで今回は、岡野さんの著書『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか? 夫婦関係を改善する「伝え方」教室』より一部を抜粋してお届けします。
「妻がユーチューブを見てヨガ」で離婚相談
専業主婦(あるいは家事を担当する夫)であるパートナーに対して、「家にいるだけで何もしていない」とか、「仕事の話を理解してくれない」などと不満に思う人は多いようです。
中にはこういった不満を爆発させ、離婚を選択する人さえいるのです。
次にあげるのは私がかつて相談を受けた「ヨガ離婚」の事例です。相談者は50代の男性、妻も同年代です。
コロナ禍で相談者の男性もリモートワークになりました。ただずっと家にいると、だんだんと妻の行動が気になってきたそうです。
妻はよくユーチューブの動画を見てリビングでヨガをしていたそうですが、その姿を見て相談者の夫は幻滅してしまったそうです。
「俺が会社で必死に働いている間、こいつは気楽に遊んでいて、何もしていない。だから人間として成長が止まっている。そんな人間とこの先も夫婦でい続けていいのだろうか」と思ってしまったのです。
ただ、妻を呼んで話を聞いてみたところ、ヨガをしていたのは、むしろ前向きな行動だったとのこと。コロナ禍で外出を自粛しているので、少しでも運動に励み、ダイエットしようと努力していたと言います。
それに、この妻は週に2日仕事をしていました。しかも英語を使う難しい仕事で、結構しっかりがんばっていたようです。