遺言書を書くタイミングは?(写真提供:Photo AC)
遺言書の「有効・無効」はどうやって判断されるのか?相続トラブルはいかにして起こるのか?医学的な見解をもとに遺言書を精査する事業を行う遺言書のプロ・圓井順子さんが、〈家族が揉めない〉〈無効にならない〉遺言書作成のポイントをわかりやすく解説します。『遺言適齢期 予防医療と予防相続で争続は防げる』(幻冬舎)より一部を抜粋して紹介します。

遺言書について話すタイミングに早すぎるということはない

相続トラブルはなぜ起きると思いますか?

相続は基本的には、対象が家族など「周囲(多数)」に対して行うものであるのに対して、遺言書の作成は被相続人が「1人」で行います。

今遺言を考えている人や、遺言書を書いた人は、「個」という単位、つまり個人に向いている思考だと思います。

子どもたちを集めて、「キャッシュがいい?不動産がいい?じゃ、あなたにはこれにしましょうか」なんて、「家族」つまり外に向いた思考に囲まれて多数の意見を取り入れながら、その場で遺言書を書いたという人は、そう多くはいないと思います。

遺言書は人生最後のラブレター。人前でラブレターは、やっぱり書きづらいもの。恥ずかしいし、心理的な圧迫もあるし、難しいと思います。

とはいえ、ないのも不安です。人生最後のラブレター。私も両親から貰いたかったな……