事故やスポーツでの頭部外傷で判断力が低下することも
がんでない人も遺言書作成の適齢期を見極めておくことが、予防相続に繋がります。
過去に交通事故とか転倒で、頭部外傷を起こしていた人、柔道やボクシングによる慢性外傷性脳症(CTE)を経験した人もそうです。
元アメフト選手の死因がCTEであることを突き止めた医師の実話は、『コンカッション』という映画にもなり、ウィル・スミスが主演をしていました。
このように、重症な頭部外傷の場合や、慢性的な脳へのダメージにより、日を追って永続的に判断力が低下、あるいは欠如する場合があります。
また、ここに脳内出血など次の脳への悪いエピソードが加われば脳の損傷域は増えるので実際に障害された部位よりも深刻な問題を残すことがあります。これは誰にも予測がつきません。
ただ、そうなってから作成した遺言書はかなりの確率で無効になってしまうと考えた方がいいのです。
結局、先送りにせずに、なるべく早く適切なタイミングを見極めて書いておくというのが最善の策と言えるでしょう。
※本稿は『遺言適齢期 予防医療と予防相続で争続は防げる』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。
『遺言適齢期 予防医療と予防相続で争続は防げる』(著:圓井順子/幻冬舎)
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