病気になった場合

たとえば、がん末期の場合は痛みを抑えるための「ペインコントロール」が始まってしまうと、すでに期を逃しています。

もしそれまで遺言書を書いていなかった場合は、医療用麻薬などを使用するペインコントロールの前までには遅くとも書いておくべきです。

ペインコントロールは基本的に鎮痛剤から始まり、進行すれば医療用麻薬を使います。

意識を混濁させるために使用する訳なので、ここまでくると、意思能力の評価に関してかなり疑義が生じるというか、むしろ意思能力がない、という評価になる可能性が高くなります。

もともとがんがあって進行し、そろそろもう終末期医療に入りますという場合、その段階で、ちゃんと親に話して作成を依頼しましょう。

同様に、日頃から向精神薬を飲んでいるような親の場合も、その薬剤を増量あるいは薬剤を変えるタイミングは意思能力に影響を与えるととらえられますから、その時期に作成をするのは避けるべきです。