親の介護費用をどうやって捻出するか

しかも、介護を担う子ども世代は、親の介護だけではなく、自身の生活費や子どもの教育費、住宅ローンなどにも対応しなければならないという厳しい現実があります。

親の介護費用をどうやって捻出するのか、さらには自分自身の生活をどう維持するのか、その両立に悩む人も多いでしょう。

ところで、内閣府の調査によれば、60歳以上の2人以上世帯では、平均的に約2400万円の貯蓄があるとされています。

また、そのうち約2割の世帯は4000万円以上の貯蓄を保有しており、高齢者世帯の多くは、持ち家と貯蓄の両方を持っていることがわかっています。

これらの貯蓄の主な目的として、「普段の生活維持」と「万一の備え」が挙げられており、親世代は将来、子どもたちに迷惑をかけないようにしたいという意識が強いことがうかがえます。

しかし、親がどれだけしっかりと貯蓄をしていても、認知症などで判断能力を失ってしまった場合、子どもはその貯蓄を自由に引き出して使うことができなくなります。

これは、銀行などが「本人の意思確認」を重視しているからです。こうなると、家族は大きな負担を抱えることになります。