3番目に多いのは「転倒・転落・墜落」で、2420人の高齢者が命を失っています。おもな原因は平らな床面で何かにつまずいて転び、骨折や頭部に外傷を負うなどですが、階段や屋根にかけた梯子、脚立など高い場所からの転落で大ケガに至るケースも。

加齢とともに足腰の筋力が低下すると、歩く時にすり足になりがち。すると、床に置きっぱなしの新聞紙や衣類、延長コード、カーペットなどのわずかな段差や障害物を越えられず、転んでしまうのです。転倒によるケガや骨折がきっかけで、長期の入院や介護が必要になるケースも少なくありません。

そのほかにも、調理中にコンロの火を消し忘れて起こる住宅火災や、熱くなった調理器具やストーブにうっかり触れてしまってできるやけど、有害な物質を間違って飲み込む誤飲なども毎年のように発生しています。

冬を迎えて家で過ごす時間が長くなると、必然的に家庭内事故のリスクが高まることに。自分や家族にとって、わが家は安全で心からくつろげる空間であってほしいものです。後編で解説する、命を守るための心得と具体的な予防・対策法を参考にして、わが家の安全性を高めてください。

後編につづく

 

心身の衰えのサインを見逃さないで

4つ以上当てはまる人は要注意。自分の体と向き合い、事故のリスクを減らす対策を講じましょう。

□ 段差がないところでつまずくようになった
□ 片づけや掃除が面倒で、家の中が散らかっている
□ 立ち上がる際によろめくことがある
□ 暑さや寒さをあまり感じなくなった
□ 食事中にむせることがよくある
□ 家族とあまり話さないし、人づきあいが減ってきた
□ 高い場所のものを取ったり電球を交換するのが怖い
□ 最近、コンロの火を消し忘れたことがある
□ 歩くのが遅くなったと言われる
□ もの忘れが多くなった