介護保険制度を活用してみたら…
樋口 でも貯金が目減りすると不安になるんですよ。その点、91歳で要支援1に認定されて手すりをつけた時は、お金がかからなくて助かりました(現在は要支援2)。
鈴木 ご自身も介護保険制度を利用なさったのですね。
樋口 ええ。家の中で壁を伝って歩くようになったり、ベッドから落ちてしまったりということが続きまして。地域の包括支援センターで要介護認定の申請をしましたところ、1か月ほどした頃に調査員が家に来て、私と娘に聞き取り調査を行って、身体機能などを確認して。
その調査結果と主治医の意見書をもとに「一次判定」が行われ、最終的には介護認定審査会による「二次審査」を経て、私の場合は要支援1でした。そこで「福祉用具貸与」を活用することにしたのです。
鈴木 そういえば樋口さんのお宅の門から玄関まで続くスロープに手すりが設置してありました。
樋口 手すりがあるとないとでは大違い。以前は車が迎えに来ると、玄関からスタッフにすがりつくようにして歩いて行きましたが、今はスロープを伝って自力で歩けるようになりました。その他にも段差のある玄関やベッドなど5か所に手すりを設置したのです。
これで誰の手も煩わさずに暮らせると安堵しまして。肉体的な問題だけでなく、精神的にも楽になったのです。
鈴木 介護保険制度を活用しない手はありませんね。
※本稿は、『なにがあっても、まぁいいか』(ビジネス社)の一部を再編集したものです。
『なにがあっても、まぁいいか』(著:樋口恵子、鈴木秀子/ビジネス社)
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