女性と国のための「BBB」運動

樋口 それから「BB」というのも人生100年時代の大問題です。

鈴木 BBというのはどういう意味でしょうか?

樋口 貧乏婆さんのことでございます。私が懸念しているのは女性の貧困層の増加です。日本では女性の平均寿命のほうが長く、80歳以上の男女の比率は4対6。

鈴木 2024年の敬老の日に厚生労働省が100歳超え人口は9万5000人(正確には9万5119人)と発表していましたけれど、約9割が女性なのだそうです。

『なにがあっても、まぁいいか』(著:樋口恵子、鈴木秀子/ビジネス社)

樋口 女性の長生きは大いにけっこうなのですが、問題は男性に比べて低賃金で働いてきた時代の女性がもらえる年金が少ないことです。未亡人だって十分な遺族年金をもらっている人ばかりではありません。

生涯働き続けることができればいいのですが、体力的に難しいということもありますし、自営業であればまだしも、働きに出るとなると雇ってくれるところがないというのが実情です。

鈴木 深刻な問題ですね。せめて同じことを繰り返さないように、これからを生きる女性には一つの教訓として心に刻んで欲しいと思います。

樋口 はい。BBB、すなわち貧乏婆さん撲滅運動を推進しなければいけません。

鈴木 まぁ、Bが三つですか(笑)。

樋口 ええ。これはつまり、女性が男性と平等に働ける社会にするということです。BBが増えれば国の財政を圧迫し、日本は貧困社会となってしまいますから、BBBは女性のためであるのと同時に、日本が生き残るためにも避けて通れない重要な課題なのです。