家族が優しくて親切だという人ほど……
鈴木 程度問題にもよりますけれど、喧嘩はコミュニケーションの一環だといえるのではないでしょうか。
樋口 親子喧嘩をしているうちが花かもしれません。口喧嘩とはいえ喧嘩は体力勝負ですからねぇ。それに「こう来たか」「ならばこう言い返してやろう」と脳が一気に活性化するのも感じます(笑)。
鈴木 刺激的なのですね。そういう娘さんがおそばにいてくれて、ありがたいですね。
樋口 日本は世界一の長寿国だとはいえ寝たきり大国なのです。寝たきりにならないようにするためにはどうすればいいのか? という問題に対して娘は優秀かもしれません。周囲を見渡してみますとね、家族が優しくて親切だという人ほどボケが進行している傾向にあるんですよ。
お嫁さんが親切だと「お母さん、もう台所には立たなくていいですよ」と言ってくれるじゃありませんか。子供が優しければ、スマホやパソコンの使い方がわからないという場合でも、嫌な顔一つせず操作してくれるじゃありませんか。だから本当に何もする必要がなくなって、だんだんボーっとしてくるのです。
※本稿は、『なにがあっても、まぁいいか』(ビジネス社)の一部を再編集したものです。
『なにがあっても、まぁいいか』(著:樋口恵子、鈴木秀子/ビジネス社)
物忘れがひどくなっても、足腰が痛くても、嫌な気分で生きるなんてもったいない!
ちゃっかりバアさんを目指しましょう!
92歳の2人に学ぶ、毎日を機嫌よく生きるヒント。