【子・孫への援助費用】一方的な手助けは逆効果。渡し方に工夫を

子や孫への援助で老後破産を招くケースは、実は少なくありません。退職金が入って人生で貯蓄が最も多い時期に孫が誕生すれば、当然、財布の紐も緩みます。

子どもに頼まれたわけでもないのに、教育資金や洋服、おもちゃにポンとお金を出す。そして2人目の孫も同じように援助。ほかにも、子どもが孫を連れて帰省するのが楽しみで、費用を払ってあげる親も多くいます。これでは老後資金が底をつきかねません。

怖いのは、金銭面で甘やかしてきた子どもほど、親の面倒を見ないケースが見受けられること。おそらく「弱った親」を受け止められないのでしょう。幼い孫への援助も、孫自身は覚えていないかもしれません。

それより中学や高校に入学した時に、「おめでとう」と言ってまとまったお祝い金を直接渡したほうが、孫も喜ぶはずです。記憶に残るお金の使い方をすることで、お互い幸せになれるのではないでしょうか。

子は親の財布事情を知りません。「年金生活に入ったから、これまでのように援助できない」と正直に伝えなければ、自分の首を絞めることに。

親が破産すれば、子どもにも迷惑がかかります。まずは自分の家計を守り、援助は余剰資金の範囲内で、と肝に銘じましょう。