短期間に三つの委員会が設置された

ここまでは普通なのだが、この事案では、委員会が報告書を出すものの、次から次に新たな疑惑が浮上して、結局短期間に三つの委員会が設置され、それぞれ異なる結論を語るというドタバタぶりを露呈してしまったのだ。

三つの委員会の結論は、おおむね次のようなものだった。

『「第三者委員会」の欺瞞-報告書が示す不祥事の呆れた後始末』(著:八田進二/中央公論新社)

会社が最初に立ち上げた「社外調査委員会」(09年3月に報告書を公開)は、不適切な会計処理の原因が経理の社内管理体制の不備にあり、意図的なものとは判断できない。また、不正支払いについては、「ルールを軽視」という企業風土の表れだ――といった程度の結論を出した。

しかし、続く「特別調査委員会」(同年5月に報告書を公開)では、一部の役職員が実質子会社に対して不正な金融支援を行ったことを公表するとともに、こうした不適切な取引を生じさせた一番の原因を、役職員の遵法意識の欠如及びそれを助長する社内風土にあった、と断じる。