(写真提供:Photo AC)
人生の後半戦、「仕事とどう向き合ったらよいか?」「どんな人と関わっていくべきか?」など、生き方について悩んでいる方もいるのではないでしょうか。そんななか「人生、まだまだ希望がないと張りがなくなってしまう。老化や衰えも客観視して面白がらなければ」と語るのは、司会者や歌手として幅広く活動する78歳・堺正章さんです。今回は、そんな堺さんの初エッセイ『最高の二番手』から、堺さん流の人生訓を一部ご紹介します。

心の断捨離を始めて

70代後半という年齢を迎え、心の断捨離を始めた。

なるべくコンパクトに、しなやかに、日々を快適に生きていくためだ。手放したものや卒業したものもあれば、これだけは、とあらためて残すことを決めたものもあった。

そんなことを考えている中で、『最高の二番手』の話が持ち上がった。新型コロナウイルス感染症が流行する少し前の頃だ。

それからは、誰もが経験したことのないパンデミックを経て、さまざまなことが、大きなうねりとなって変容していった。人の価値観やライフスタイルも、世の中の常識やシステムも、古いものが押し流されるように続々と切り替わっていった。