目指すべきは『老益』

TVの世界も例外じゃない。スピードを増して様変わりが進み、長寿番組が次々と姿を消した。ゴールデン枠といえば、グルメやお散歩など、身近なテーマを扱う番組一色となり、僕がMCとして携わっていた番組もことごとく終了した。

とはいえ、長期にわたる映画撮影や、スペシャル番組へのゲスト出演など、時間ができたおかげで可能になったこともある。

『最高の二番手』(著:堺正章/飛鳥新社)

物事は、いい面も悪い面も表裏一体だ。しかし、一抹の寂しさを感じるのも嘘ではない。

僕と同世代の他の業界の方々も同じだろうと思う。まだまだ元気な60代、70代は、これから時代の流れにどのように歩調を合わせ、生きていくのが正解なのだろうか。

目指すべきは『老益』、とでもいうべきか。決して『老害』などとうしろ指を指されることなく、少しでも今の世の役に立つように生きていきたいと思うのだ。