(写真提供:Photo AC)
人生の後半戦、「仕事とどう向き合ったらよいか?」「どんな人と関わっていくべきか?」など、生き方について悩んでいる方もいるのではないでしょうか。そんななか「人生、まだまだ希望がないと張りがなくなってしまう。老化や衰えも客観視して面白がらなければ」と語るのは、司会者や歌手として幅広く活動する78歳・堺正章さんです。今回は、そんな堺さんの初エッセイ『最高の二番手』から、堺さん流の人生訓を一部ご紹介します。

柔軟に生きるということ

職場や社会で過去の常識ややり方が通用しなくなりつつある。芸能界もその変化は著しい。

今までの古い価値観を捨て、柔軟性を持って新しいスタンダードに対応しなければならない。とくに、「昭和」という過去の価値観にどっぷり浸っている僕たちのような世代の人間には、柔軟さが必要不可欠だろう。

僕だって、「あー、自分の信念は今のものとはずいぶんかけ離れているのだなあ」と感じることはしょっちゅうある。人を傷つけるつもりではなく、何気なく理想を語っただけのつもりでも非難されてしまうときがあるから、思うことをうかつに発言することもままならない。

バラエティ番組での発言なんて、ギリギリのところを狙うのが面白いのに、今はセーフティゾーンがものすごく狭い。面白いものが生まれにくくなっているんじゃないかな。エッセンスとしてほんのりと毒を混ぜ込むのすら至難の業だ。