70代を楽しく過ごすポイント
好きな趣味を持つことはとてもいいことだとつくづく思う。年齢を問わず、さまざまな友だちができるし、その人たちと同じ思いを共有できる喜びがある。一方で、無理は禁物と自分に言い聞かせてもいる。
この前の夏も、クレー射撃に行こうとしたら、熱中症みたいな症状になり、一発も打たずに帰ってきたということがあった。無理をせず自制することも大事なこと。それはそれで「勇気ある撤退」なのだと思っている。
日本に生まれた以上、季節の移り変わりを楽しみながら好きなことがやれたら、僕としては満足だ。その楽しさに存分に浸っていられるように、まずは体を健康に保ち、一方で心の断捨離を決行して、今の時代にフィットする軽やかさを持つこと。それが70代を楽しく過ごすための大きなポイントだと思う。
そんなふうに、なにごとにも柔軟に生きていきたい。古い価値観に縛られたせいで客観性を失い、裸の王様のようになってしまうことは恥ずかしい。「俺はなんでも知ってるぞ」なんていう気分で理屈をこねていてはいけない。“当たり前”は、時代につれて変わっていくのだ。だから、自分が変わることも恐れてはいけない。
恥という感覚を忘れるのがいちばんダメだ、と声を大にして言いたい。
※本稿は、『最高の二番手』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。
『最高の二番手』(著:堺正章/飛鳥新社)
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