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「推し」がいるだけで性ホルモンが活性化

このような推し活による疑似恋愛のようなものは、本物の恋愛とは異なり、「夫や子どもに知られたらどうしよう」と心配する必要もなく、後ろめたさやストレスを感じることもありません。

本物の恋愛や不倫などと違い、「ホストクラブに通う」「キャバクラに行く」といった行動ならば問題ないのではとも考えられますが、これらの趣味も「夫や妻に知られたらどうしよう」と、ビクビクしながら行っている場合は、やはりストレスになります。

一方で推し活は、何を気にすることもなく、恋愛感情のようなものがもたらすすばらしい効果を得られるのです。

例えば、女性の場合、閉経すると女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が大幅に減少します。しかし、例えば郷ひろみさんのファンになった妻の友人のように、推しを見てドキドキしたり、ときめいたりすると、女性ホルモンが再び活性化されます。すると、生理が再び始まるということがあっても不思議ではありません。

女性ホルモンが増加すれば、肌や髪にハリが出てきて、若々しく、きれいになります。若々しくなれば、メイクも楽しくなり、おしゃれにも気を遣うようになるでしょう。また、エストロゲンは骨の健康を維持するためにも重要なホルモンで、骨密度の維持に役立ちます。そのため、女性に多い骨粗しょう症にもなりにくくなります。

さらに、女性の場合は閉経すると男性ホルモンの分泌も増えるため、意欲や行動力が向上し、人付き合いに積極的になる傾向もあります。

「ネイチャー」という国際的な総合科学ジャーナルに掲載された学術論文では、女性に男性ホルモンを補充すると、寄付やボランティアなど人のために何かをしたいという気持ちが増えることが示されています。つまり、男性ホルモンは人間関係を良くする役割を担っているということなのです。