(写真提供:Photo AC)
松坂桃李さんが主演を務める日曜劇場『御上先生』。「学校教育監修」としてクレジットされている教育者、横浜創英中学・高等学校前校長の工藤勇一先生は、子どもたちが自由に生きていくための学校改革を積極的に行ってきました。これからの時代を生きていく子どもたちを、大人はどのように見守っていけば良いのでしょうか?今回は、工藤先生が子どもたちに向けて書いた著書『考える。動く。自由になる。-15歳からの人生戦略』から、工藤先生の“人生の授業”を一部お届けします。

堂々と「偽善者」であれ!

君は「偽悪者」という言葉を知っていますか。

「偽善者」という言葉なら知っているかもしれないね。

僕の経験上、中高生くらいの年代の子どもたちには、友達を「偽善者」とからかう傾向があると感じています。

そこで、ここではまったく正反対の「偽悪」という言葉をご紹介します。

この言葉は僕が大学時代に読んだ絵本、『きつねのざんげ』(安野光雅著/岩崎書店)のあとがきで知った言葉です。

「偽善」と「偽悪」、一見、相反するように見えるこの2つの言葉ですが、ある視点で考えると、まったく同じだなあと僕は感じているのです。