スマートフォンやパソコン、テレビなど、さまざまなデジタル機器を日常的に使用する現代社会で年々高まっているのが<目の病気の発症リスク>です。眼科専門医・下内昭人先生によると「失明リスクが最も高い緑内障は、失明寸前まで進行しても自覚症状が現れにくい」とのこと。そこで今回は、下内先生が目の病気のメカニズムや対策を解説した著書『目の健康寿命 40代からはじめる後悔しないための生活習慣』より一部引用、再編集してお届けします。
生活に大きな影響を与える「目の健康」
ものが見えづらい、ぼやけて見える、目が乾いてゴロゴロする……些細な目の違和感をみなさんは放置していないでしょうか?
「視覚」から得る情報は外界から得る情報の8割にも及ぶといわれています。
目から入る情報が遮断されてしまうと、私たちの生活はどうなるでしょうか。まず自分の身の回りのことを行うことすら難しくなり、歩くことや体を動かす機会が減って、身体的な衰えが加速してしまう恐れがあります。とくに運動不足はさまざまな目の病気に関連することが報告されており、生活習慣病にもなりやすくなるでしょう。
また、視覚からの情報が制限されることで、脳への刺激が少なくなり、認知機能の低下やうつ病の発症につながることもわかっています。そして、その影響は個人のみならず、家族や周囲の人々の生活にも及んでしまうことは想像に難くありません。
目の健康は、私たちの生活全体に大きな影響を与えているのです。