〈発売中の『婦人公論』3月号から記事を先出し!〉
2023年10月7日、パレスチナの武装組織ハマスが、イスラエルに対し奇襲攻撃を仕掛けたことから始まった戦争。1年3ヵ月後の25年1月15日、6週間の停戦合意が成立した。この15ヵ月で、4万7000人のガザ市民が殺害されるなど、ガザは深刻な人道危機にある。一方、パレスチナ自治区のヨルダン川西岸地区では、イスラエルによる入植が続いている。1月半ばまでガザで活動を続けていた看護師、そして24年夏にヨルダン川西岸地区を取材したジャーナリストが、現地の様子を語る(構成:古川美穂)
2023年10月7日、パレスチナの武装組織ハマスが、イスラエルに対し奇襲攻撃を仕掛けたことから始まった戦争。1年3ヵ月後の25年1月15日、6週間の停戦合意が成立した。この15ヵ月で、4万7000人のガザ市民が殺害されるなど、ガザは深刻な人道危機にある。一方、パレスチナ自治区のヨルダン川西岸地区では、イスラエルによる入植が続いている。1月半ばまでガザで活動を続けていた看護師、そして24年夏にヨルダン川西岸地区を取材したジャーナリストが、現地の様子を語る(構成:古川美穂)
壁に囲まれた「天井のない監獄」で
イスラエルの攻撃によるガザの悲劇は日本でも報じられています。しかし、その背景となるパレスチナとイスラエルの関係については、よくわからない方も多いのではないでしょうか。
パレスチナ問題は20世紀初めに、欧州で迫害されたユダヤ人が旧約聖書に書かれたユダヤ人の王国があったパレスチナに国をつくろうと、英国の支援を受けてパレスチナに移住してきたため、そこに住んでいたアラブ人と争いになったことから始まりました。
1947年、パレスチナをアラブ人とユダヤ人で分割する国連決議が採択され、翌年ユダヤ人はイスラエル建国を宣言。これに反発するアラブ諸国との戦争になりました。その時、75万人のアラブ(パレスチナ)難民が生まれました。
さらにイスラエルは67年の第三次中東戦争で、ヨルダン川西岸、ガザ、東エルサレムを軍事占領しました。国連安全保障理事会はイスラエルの占領地からの撤退によりパレスチナ国家を樹立し、平和共存する紛争解決案を探っています。