健康への最大の投資

こんな事実もあります。2022年、日本ではおよそ2万1000人の人が自殺したと公表されました。そのうち、8000人以上が60歳以上だったのですが、中でも自殺率が高いのは、家族と同居している人だったのです。

ひとり暮らしの高年者より、家族と一緒に暮らしている高年者のほうが自殺しやすいのです。「家族と同居していれば寂しくなくて幸せ」「ひとり暮らしは寂しく孤独」だと思っていたかもしれませんが、現実はそうではない、ということです。

健康で安らかに暮らしていくためには、ストレスを取り除くことが大前提です。ひとりへの恐れは誰にでもあると思いますが、「好きなように生きる」「煩わしい人間関係から自由になる」「ありのままの自分でいる」ということが、健康への最大の投資になるのです。

※本稿は、『死ぬのはこわくない ―それまでひとりを楽しむ本』(興陽館)の一部を再編集したものです。

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死ぬのはこわくない ―それまでひとりを楽しむ本』(著:和田秀樹/興陽館)

年間200人の死に立ち会ってきた高齢医療の専門医、和田秀樹の書いた死生論。

夫や妻、家族がなくなってひとりになってからどう生きるか、ひとりになってからの生き方と老齢の壁を超える方法についてなど、わかりやすく指南していきます。