言葉が話せるようになると
2歳になって言葉が話せるようになるとさらに興味は強くなり、「99の次はどうなるの? 999の次はどうなるの?」と数の概念を知りたがるようになりました。
隼斗の好奇心をできるだけ満たしてやりたいと思い、私も「百、千……兆、京(けい)、垓(がい)……無量大数」と0をたくさん書きながら、とことん付き合って教えてやるようにしていました。
数字の出てくるものにはなんでも特別な興味を示し、チラシの裏などに延々と数字を書き連ねているだけで隼斗にとってはじゅうぶん楽しい遊びになるので、この頃は紙と鉛筆さえあればいくらでも熱中していました。
年齢があがるにつれ、数字だけでなく、数字の背後にある考え方にも興味が及ぶようになり、たとえばかけ算なら九九の表を覚えさせるのではなく、「3が3つ集まったら9になる」と考え方を示してやると納得がいくようでした。
そうして乞われるままに教えてやっているうちに、幼稚園にあがる前には時計の読み方や簡単な計算も覚え、チラシの裏には円周率を書き連ねるようになっていました。