(写真提供:Photo AC)
近年のインバウンド需要で、日本の神社を訪れる外国人が増加しています。そのようななか、島根県親善大使・出雲観光大使を務めるヒーリングシンガー・深結(みゅう)さん曰く「最近は、海外のビジネスエリートが日本の神様や神道に興味を持ち、学ばれることも増えてきている」とのこと。そこで今回は、深結さんの著書『ビジネスエリートのための 教養としての日本の神様』から、ビジネスパーソンの教養となりつつある日本の神様や神社に関する知識を一部ご紹介します。

全国に広がる神社の神様

日本全国津々浦々にまである神社の中に、「八幡(はちまん)社」「稲荷社」といった神様の名前を冠した神社が数多くあります。多くは特定の神社の神霊を移す勧請(かんじょう)によって各地に広がっていったものです。

神道系宗教法人が持つ神社の99%超にあたる7万8535社の神社を包括している包括宗教法人・神社本庁(東京都)は、1990(平成2)年からの5年間で「全国神社祭祀祭礼総合調査」を行っています。

創建の由緒や祭りの概要などをもとに直接・一律に調査したもので、神社名から主に祀られている祭神がわかる神社を都道府県ごとに集計し、「**信仰」と分類しています。

<『ビジネスエリートのための 教養としての日本の神様』より>

同調査によると、神社数の多い信仰形態は順に上記のとおりです。

神社本庁調査部として岡田米生氏が行った著名神社の分社数の調査(「全国神社祭神御神徳記」1966年)は数字が大きく異なっています。当時の神社本庁の包括神社が約8万社であり、上位4社だけで8万5000社を超える同調査は法人格のない神社や小さな祠なども集計したものとみられます。

日本人の信仰のほどを知るうえで参考になる数字で、文化庁が毎年発行している宗教年鑑でもこの数字を紹介しています。

<『ビジネスエリートのための 教養としての日本の神様』より>

同調査による著名神社別の分社数は多い順に上記のとおりです。

神社創建の由来はそれぞれですが、その地域の人々の属性や職業などによって崇敬する神様に違いがあり、勧請される神社も異なってきます。それぞれの神様の信仰圏が歴史的にどのように広がったのかを見ていくと、その神様の性格を改めて知ることができます。