誰もが発達障害的な特性を持っている
ところで、程度の差こそあれ、冒頭の項目のどれかに自分も当てはまるという人が多いのではないでしょうか。
発達障害がどの面で現れるかには、個人差があります。脳は、エリアによって役割が異なるため、抜群の記憶力を持っていても会話が苦手だという人もいれば、面白いアイディアをたくさん出せるけれどルーティンワークは苦手だという人もいます。
私たちは誰もが発達障害的な特性を持っていますが、その特性の程度が著しいものではないため、いま生活している環境の中では問題になっていないだけだともいえるのです。
環境や時代によっては、先述した発達障害の特性が問題にならないこともあります。そのため、歴史上の有名な学者や芸術家などには、高い割合で発達障害的な特性を持つ人がいたとされることが知られています。
たとえば、職場に物怖じせず自分の意見をどんどん言えるタイプの人がいるとします。その人は、その組織では評価が高くても、別の組織では「空気が読めない人」になってしまい、本人は仕事がやりにくいと感じることがあります。