明確な線引きは難しい

しかし、脳機能のある部分に他の人と多少の差があったとしても、社会生活や自分自身の心に大きな支障をきたさずに適応できているのであれば、「障害という枠に完全に入る」ということにはなりません。

社会生活に支障がなければ、発達障害の診断基準に当てはまる特性を持っていても「発達障害」とは診断されないことになります。

(写真提供:Photo AC)

そもそも、発達障害か否か明確な線引きをすることは難しいといわれています。そのため発達障害を疑って受診しても、精神科医によって診断が違うことも珍しくありません。

同じ人でも診断名がついたりつかなかったり、または診断名が異なったりすることがあるのです。