その1秒をけずりだせ
しかし、やはり屋内や机上ではなく、自らの身体で現地に赴き、現場にその身を置いてこそという側面も考古学にはある。
誰が何と言おうとそれは特に考古学(歴史学も)という学問では重要な点だ。そこで個々人が受ける感性もまた考古学者にとって重要な要素だと思うのだ。
だから研究遂行のためならば好きでもない(むしろ嫌いな)飛行機にも乗り込む。授業と会議で溺れそうな忙しい日々のなか、時間をひねり出すのだ。東洋大学の箱根駅伝のチームスローガンではないが、「その1秒をけずりだせ」なのだ。
※本稿は、『考古学者だけど、発掘が出来ません。 多忙すぎる日常』(ポプラ社)の一部を再編集したものです。
『考古学者だけど、発掘が出来ません。 多忙すぎる日常』(著:青山和夫、大城道則、角道亮介/ポプラ社)
とにかく休みが来ない!
毎日17時間労働、2泊4日のエジプト弾丸ツアー、ジャングルで黒い物体に追われる……。
考古学者たちの「働き方改革」とは無縁な日々。