筋肉が減ってくると、高齢者は体の弱点だった部分にゆがみや痛みが生じてくる傾向があります。私は、大学時代にスキーで骨折した左足を右足でかばうような歩き方をしていました。トレーナーはそうした私のくせを見極め、上手に全身をほぐしてからトレーニングを開始してくれるので安心です。

また、関節を柔軟にするトレーニングでは血行が促進され、気分もリフレッシュ。筋肉も少しずつついてきました。

自宅でも、トレーナーに教わった、床に座って足指の間に手指を入れ、足先や足首をゆっくり回して柔軟性を高めるセルフケアを行っています。

そうして食事や運動に気をつけていたにもかかわらず、80歳になった時、急に血圧が上がってしまったことがありました。その時飲んでいた漢方薬に含まれる生薬の成分が原因かもしれないと思い、服用を止めると2ヵ月ほどで血圧は正常に。

これまで何の問題もなく使ってきたものでしたが、年齢とともに肝臓の代謝機能が落ち、薬が効きすぎて血圧上昇という副作用が強く出てしまったのです。変化していく体の状態には、よりいっそう敏感でありたいと思った出来事でした。

今や女性の2人に1人は90歳を超える時代です。どうせ長く生きるなら、毎日を楽しく快適に過ごしたい。そのためには、ストレスの原因から上手に身をかわす、無理だと思うことは深追いしない、くだらないことに関わるのは時間のムダと割り切ることも大切だと思っています。

あれこれ不調を感じるのはつらいものですが、それは体からの大切なサイン。しっかりと受け止めて、そのつど適切に対処していきたいと思っています。