「結婚か、PACSか」で発生する違い
一方、日本には、結婚するかしないか、の2択しかなく、婚姻関係ではないこのPACS制度は事実婚のようなものと説明されることがしばしばあります。
私も説明する時間がない時は簡単に、「フランスの新しい夫婦の形で事実婚のようなもの」と説明することもありますが、実際は前述のようにしっかりと法的に夫婦として守られています。
ですので、日本でいう事実婚とはまた違うのです。
私が発信しているなどで、私とパートナーとのPACSの関係について「相手が関係を真剣に考えているなら結婚しているはずだ」などというコメントを頂くことがありますが、私個人としては婚姻関係でもPACSでもどちらでも構わないのです。
「結婚か、PACSか」で発生する違いとしては、相続の際にPACSでは生前に遺言状に残しておかないと資産が相手へと引き継がれないことくらいですが、私としては自分の資産は自分で築いていきたいので、その点に関しては問題ありません。
※本稿は『私が決める、私の幸せ』(ワニブックス)の一部を再編集したものです。
『私が決める、私の幸せ』(著:大畑典子/ワニブックス)
YouTubeでフランス・ナントから日々の暮らし、家族の在り方について発信して人気の大畑典子が、シンプルな生活の中にある、幸せの本質について書き下ろしたエッセイ。
決して「キラキラした海外生活」ではなく、文化の違いや家庭内の衝突を乗り越えながら、自分自身で幸せを築いていく過程を率直に綴った本書は、「自分らしい生き方」を模索する全ての人に向けたエールです。
幸せの形は人それぞれ。だからこそ、自分で選び、自分で決めた人生を楽しむために。軽やかに生きるヒントが詰まっています。