生前の母は、「あんた、気持ちひとつやで!」とよく口にしていました。その言葉通り、母は気持ちが強い人。骨が見えるほどのケガをしても、「絆創膏を貼っておけば大丈夫や」とやり過ごし、脱腸になっても病院に行かず、我慢してしまうような人で、娘の私も驚くほど。
そんな母を見習って、「今日はしんどいなあ」とか「もう、このままでいいや」と思ったときには、「よし、無理をしてでも、もう少し頑張ってみよう」と気持ちを正し、一歩踏み出すようにしています。
そうすると何かしら得られるものがあって、「ああ、踏み出してよかった」となることが多いのです。母の生き方や言葉の一つひとつが私のなかに深く根づいていることに、今になって気づかされています。
デビューして48年。こんなに素晴らしい職業があるかしら、という感謝の気持ちを胸に、今日も歌い続けています。2025年も始まったばかりですし、健康を第一に、「走らなくていい。だけど歩みは止めない」という精神で頑張っていきたいです。