厚生労働省が公表している「厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和5年度の厚生年金の平均受給月額は14万6429円だったそう。「老後2000万円問題」も話題となり、老後の資金に不安を感じている方も多いのではないでしょうか。そのようななか「65歳からは、お金のことは心配ご無用」と話すのは、経済ジャーナリスト・荻原博子さん。今回は、荻原さんの著書『65歳からは、お金の心配をやめなさい 老後の資金に悩まない生き方・考え方』から、老後を豊かに暮らすための心構えを一部抜粋してお届けします。
高額商品の「ついで買い」を防ぐ
買い物に行くと、なんとなく商品を買っていませんか?
これが知らないうちに「無駄遣い」になっている可能性は大です。
スーパーやコンビニで必要なものを買ってレジに並び、前の人が会計をしている間にレジ横に置かれているお菓子に手が出てしまう。お醤油が切れてスーパーに買いに行き、いつも使う醤油の横に「減塩醤油」があったら、「ちょっとこれも試しに買ってみようか」とカゴに入れる。そんな経験、誰しもお持ちだと思います。
これは、マーケティング用語で「テンション・リダクション効果」と言います。
「テンション」は緊張、「リダクション」は減少や消滅という意味です。
「忘れずにこれを買って帰らなくては」と目的を持って商品を探し、それを手にした達成感で緊張の糸が切れて、ほっとしてほかの商品を買ってしまうことを言います。
この「ついで買い」を誘発し、財布の紐を緩めさせることを目的に、企業はさまざまな工夫を凝らしているわけです。
レジ横のお菓子やスーパーの減塩醤油なら、それほど高くはありません。困るのは高額商品。「ついで買い」でも、かなりの価格になるからです。