当初は油絵を教えていましたが、本国から教えにくるアーティストたちの描く「透明水彩」に魅了されて。世の画材の多くは、色を重ねると下の色が隠れる不透明のもの。それに対し、下の色も上の色もお互いが透けて見え、淡く繊細な表現ができるのが透明水彩の特徴です。

たとえば油絵であれば、多少失敗しても、上に違う色を重ねたり削り取ったりすれば修正ができます。透明水彩はそれができないので、描く人の技量がもろに出てしまう。にじみやぼかしの効果を生かすには、濡らした紙が乾かないうちに色をどんどん載せていかなければならない、即断即決の難しさもある。

ただ、水彩画はあっという間に描けるので、数をこなせます。つまり、たくさん勉強ができるんですね。画材の特徴やテクニックを学べば、どんどん上達します。自分で試行錯誤しながら学んだことを教えたおかげか、僕の講座は人気がありました。

同時に、自分の作品を売ることも続けていて、50代からは、毎年必ず個展を開いています。多い時は年3回、また2000年にはアメリカのプラザホテルでも開催して好評を得ました。

再び海外で絵を見てもらいたい。でも海外の個展には、輸送の手間や税関の手続きなど面倒なことも多い……と思っていた時、ふらっと個展に訪れた息子から、「ユーチューブで描いてみれば?」と言われたのです。