大人のためのクレヨンを開発
そんなふうに気持ちを切り替えた頃、世界中を席捲したのがコロナ禍です。子どもも大人も外出自粛で、「余った時間に何をしたらいいかわからない」というニュースが流れてきたとき、僕は今こそチャンスと思い、「家で一緒にやってみよう」という動画を作りました。
画材は誰もが持っているわけではないから、まずは鉛筆一本で。色を使いたいから、子どもの使い古しのクレヨンで描いてみてはどうか。そうして間口を広げるうち、観てくれる人がますます増えて。
最近は個展でも、3歳くらいの子が「ファンです」と抱きついてくれます(笑)。俳優の杏さんや評論家の山田五郎さんとコラボ動画を撮ったりもしました。
もう一つ嬉しかったのは、アートクレヨンという新しい画材の開発に関わらせてもらったこと。ユーチューブを観た文具メーカーの人が「話を聞きたい」とアトリエにいらしたので、「子ども向けだけに作っていても未来がない。大人も楽しめるクレヨンを開発しなきゃ」と発破をかけました。すると「ぜひ監修を」と頼まれて(笑)。
重ね塗りが自由にできて、かつ油彩のように鮮やかな色が出せるのが特徴。セットには基本色に加え、ピンクを入れました。箱を開けたとき、「わあ可愛い」と思ったら、すぐ描きたくなるでしょう。柴崎のチャンネルで、描き方のヒントも学びながらね。(笑)
絵を描いていると、自分に何ができて何ができないかがよくわかります。言葉は喋ったそばから消えてしまうけれど、絵は自分の描いた積み重ねがひと目でわかる。自分と向き合う緊張感と楽しさが、絵の醍醐味です。
最初は、家にある紙一枚、ペン一本でいい。「私は何を描きたいかな?」と考えた瞬間から、一人だけの時間が始まります。今まで家族や仕事のために使ってきた時間を、自分のためだけに使う。それはきっとわくわくする体験になると思います。
柴崎も日々、新しい作品を描き続けていますよ。編集待ちの動画素材がもう何十本もたまっている(笑)。これからも皆さんを笑顔にできるような動画を発信していくので、ぜひ応援よろしくお願いします。