メタばあちゃんとして活躍するひろこさんと、孫の竜二さん(撮影:大西理江子)
ピンク色の髪に可愛い制服を着た、アニメの女の子。でも声は広島の方言でダミ声のおばあちゃん――。そんな動画で人気を集めているひろこさんは、活動を通して人の輪が広がったと言います(構成:山田真理 撮影:大西理江子)

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チャンネル名:メタばあちゃん_MetaGrandma

2年前、ユーチューブで「アイドル」としてデビューいたしました、「ひろこ」と申します。と言っても普段の私はスマホも使わない、86歳の普通のおばあちゃんなんですけど。

ユーチューブを始めたきっかけは、コロナ禍です。東京で起業した孫息子が、広島の実家へ戻ってきましてね。「リモートワークをするんだ」と言われてもようわからんでしょう。2階の部屋に閉じこもって一日中、ケータイやらパソコンやら見ているものだから、「引きこもりになったんかなあ」と心配してたんですよ。(笑)

そうしたらある日、「おばあちゃん、これ読んで」と台本を渡されて。「声に合わせて、おばあちゃんの分身としてアニメが動くんだよ」と説明されたけど、何が何やら。ただ、私が孫のためにひと肌脱げるのならと、声の出演を引き受けたんです。

私の声に合わせて動いてくれるアニメを「アバター」と言うんだそう。孫が選んだのは、ピンク色の髪と可愛い制服。そんな姿なのに、広島の方言まる出しのダミ声で棒読みのセリフを喋るのが面白かったんかね。大勢の人が見てくださったそうで。

なんでも、「メタばあちゃんプロジェクト」という、75歳以上の女性が顔を出さずにアイドル活動をするグループを孫が作るんだと。私の動画は、メンバーを集めるための見本だったようなんです。だから収録も3回で終わる予定が、「次も」と言われるまま、もう2年も続けさせてもらってます。