改善する方法その1―「栄養素」を補う
では睡眠障害を改善するには、どんな方法があるのでしょうか?
まずオススメしたいのが栄養バランスの見直しです。良好な睡眠に関係するホルモンや自律神経の働きを助けるという意味では、次の5種の栄養素が注目されています。
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(1)タンパク質
筋肉や内臓だけでなく、ホルモンの材料にもなる非常に大切な栄養素です。大豆製品、肉、魚、乳製品、卵などからバランスよくとりましょう。特に大豆イソフラボンには、エストロゲンに似たはたらきをする成分が含まれており、更年期の不調をやわらげる作用が期待されています。
(2)ビタミンB群
エネルギー代謝に関わるだけでなく、神経のはたらきをサポートします。特にビタミンB6やB12は、脳内でセロトニンやメラトニンを合成する際に必要な栄養素であり、心身のリズムを整えるうえでも重要です。レバー、かつお、まぐろ、ナッツ類、卵などに多く含まれています。
(3)ビタミンC・ビタミンE
抗酸化作用を持つビタミンCやEは、ホルモンバランスを維持したり、自律神経の乱れを穏やかにする作用があるとされています。また、ビタミンCはストレスがかかると大量に消費されるため、意識的に補うことが大切です。ビタミンEは血行をサポートし、冷えをやわらげる効果が期待できます。
(4)カルシウム・マグネシウム
骨や歯だけでなく、神経伝達や筋肉の動きにも関係するミネラルです。不足すると、イライラしやすくなったり、筋肉のこわばりが起きたりして睡眠の質が低下することがあります。乳製品、大豆製品、小魚、海藻、ナッツ類などを日々の食事に取り入れてみましょう。
(5)質の良い脂質=オメガ3系脂肪酸
オメガ3系脂肪酸(EPAやDHAなど)は、炎症を抑えたり、血行を良くしたりする働きが期待されています。青魚、亜麻仁油、えごま油などに多く含まれます。一方で、過剰なトランス脂肪酸(揚げ物や加工食品など)の摂取は心臓疾患や肥満のリスクが高まる傾向があるため注意が必要です。脂質のバランスが崩れるとホルモン分泌にも影響が出やすくなります。