徐々に暖かくなってようやく春を迎えましたが、季節の変わり目はどうしても体調を崩しがち。「特に更年期世代は”春ゆらぎ”による睡眠障害に注意を」と話すのが総合内科専門医の梶尚志先生。通常の診察では解決できない体の不調に<栄養学的なアプローチ>を用いた治療と生活指導を行っています。その梶先生いわく、「不眠を覚えたら栄養面と生活習慣双方からのケアを心掛けてほしい」とのことで――。
更年期世代に起こりやすい<睡眠障害>
女性の卵巣機能が低下し始める40代半ばから50代半ば頃までを指すことが多い「更年期」。
実際には個人差が大きく、最近では“プレ更年期”という言葉も耳にするように、40代手前くらいからさまざまな不調が出る方も少なくありません。
そして、不調症状の中でも特に起こりやすいと言われているのが<睡眠障害>です。
パラマウントベッドホールディングス株式会社の調査(※1)では、働く更年期世代の女性の約7割が「不眠の症状がある」と回答した、との結果もあるほど。
そこで今回は更年期世代の睡眠障害と対策について解説していきたいと思います。
まず睡眠障害には大きく分けて、次のような特徴があります。
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<入眠障害>
布団に入っても寝るまでに1時間以上かかったり、眠ろうとする焦りから寝付けない状態。
<中途覚醒>
深夜にトイレや不安感、ホットフラッシュ(ほてり、発汗など)の症状目で目覚め、眠りに戻れない。
<早朝覚醒>
朝、予定より早くに目が覚めてしまい、その後明るくなるまで寝られない状態。
<熟眠障害>
起床時、「眠った実感がない」「疲れが取れていない」と感じる。浅い眠りが長く続き、ホルモンバランスが乱れ深い睡眠が阻害される。
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こうした症状は、日中の疲労感や集中力低下、イライラ感の増幅につながります。さらに女性ホルモンの減少が進むと生活の質を落とす大きな要因になります。